東洋医学では、個人の体質をとても大切にします。

人が、体調も心も万全であるとき、
図で表すと、綺麗な五角形で満たされています。

しかし、疲労やストレス、寝不足などに陥ると、
綺麗な五角形の1部が欠けてしまします。

その欠ける部分が、どこから欠けやすいのかが、
東洋医学でいう個人の体質の部分になります。


胃腸から欠けやすい人もいれば、
むくみやすい人もいて、
眠れなくなる人や、
怒りやすくなる人も。



私も、ついこの前までは、
「体質の良いところを伸ばして、苦手な部分もあるよね、仕方ないね」
と思っていたのですが、

息子を育てて思ったのは、
「苦手だから放置するのではなくて、そういう特性を踏まえて、どうしたらその部分をカバーできるのかを考えることが必要で、それが底上げに繋がるんだな」
と思うようになりました。


東洋医学は、抽象的な部分が多いので、どう具体的に落とし込んでいくかは、
鍼灸師それぞれによって、捉え方が変わっていくもの。
この考え方を手に入れてからは、また一つ東洋医学の見方がレベルアップしたように感じています。



あ、また前置きが長くなってしまいましたw



今日は、4つの体質のうち、【腎タイプ】についてお話しさせていただきます♪



成長・生殖・老化と、水のコントロールが腎です

「腎」と聞くと、みなさんは何をイメージしますか?
きっと多くの方は、泌尿器系をイメージされると思います。

東洋医学の「腎」は、そのイメージのままでOK!

トイレが近かったり、膀胱炎だったり、
尿の代謝、すなわち、体のお水関係をコントロールしている役割があります。


腎の大きな特徴としては、「夕方」というのもキーワードです。

夕方になると、むくみやすいのよ…
夕方になると、どっと疲れるのよ…

なんていうのも、「腎」が疲れている証拠です。




ここからが、東洋医学の世界になるのですが、

「腎」は、水のコントロールよりも、もっと大きな役割を担っています。
それが、成長や老化です。

子供は、みな「腎」が未発達です。
「腎」が成長することで、心も体も成長し、そして満たされたとき、月経がやってきます。
男の子も一緒です。


成長もピークに達し、「腎」がどんどん落ち着いてくることで、人は「老化」と向き合います。




良い男選びは、腰をみろ!

「腎」というのは、人としての土台のようなもの。
子供が、駄々をこねたり、本能的な行動が多いのは、「腎」が不安定だからと言われています。


人は、自分を守るようにプログラミングされています。
不安や恐怖、ネガティブなことは、自己防衛として避けられない生き物です。

この時、ある脳の一部が働きます。本能なので、何よりも早いスピードでその部分が働きます。


しかし、大人は、考えることができるので、スーパーでお菓子買って!!!!とは、駄々をこねません。
これは、本能より、今の行動によって、未来がどうなるのかを予測できるからです。


「ここで、お菓子買ってって言ったら、周りの人どう思うかな…」
と考えることができるのが大人です。


本能 VS  考える力 の戦いで、どっちが勝つかで、人の発言や行動が違ってくると言われています。
この、脳の考える力を支えているのが「腎の力」であり、また、衰えていくのも「腎の弱り」です。



ネガティブな感情を発している同僚や友人がいたとしたら、
「今は、本能の部分が、活性化している時期なんだな〜
腎が弱っているんじゃないの?」
と思ってあげると、少し優しくなれませんか?
私だけかな?www




私の先生は、「良い男選びは、腰をみろ」という名言を残しています。
腎の様子は、腰を見たらわかるのが鍼灸師です。

きちんと考え、堅実的で、本能をコントロールできる大人こそ、
腎がしっかりしている証拠なのです。


もし、腎が弱そうな方が周りにいたら、
腎のツボにお灸してあげてくださいね!

子供も然り。
腎をしっかりしてあげることで、脳の発達が良くなると言われています。
腎は、塩分に弱いので、やっぱり味覚って大切だよねと思っています。


無月経、早発閉経、AMHが低いのも「腎」に関係する

人は、「腎」の成長と共に、発育し、「腎」の衰えと共に、老化をしていきます。
そして、初潮や生理に関しても、「腎」はとても重要な役割を担っています。

一概に、全部が「腎」の影響です!と言えないのですが、
「腎」がしっかりしてこないと、なかなか生理の問題が解決しないのは事実です。


パルシェでたくさんの患者さんを診させて頂いていると、
「初潮から、月1回で生理がきたことがない。」
「気が付いたら、ずーと不正出血で、1年中不正出血です」
なんて方もいらっしゃるのです。


そんな方は、「腎」の働きを疑ってみることも大切かもしれません!




愛され上手な腎タイプ


腎タイプの方は、いろいろな方に気を使えるのが特徴です。
腰が低く、優しい性格の方に多いよう。


疲れが顔に出やすく、
「疲れてる?」と声をかけられることが多い方は、腎タイプかもしれません。


新しいことに目移りするというよりは、
じっくり同じ環境で、腰を据えて取り組めるのも腎タイプの特徴です。


腎は、水分代謝に大きな影響を与えることから、
乾燥しがちに。
乾燥するのに、むくみやすいなんて症状も、腎の大きな特徴です。



アンチエイジングに力を入れて!疲れを溜めない工夫を。

同年代の方より、少しだけ、「老化」の症状が出やすいのが腎タイプ
体質だから仕方ないけれど、ちょっとの工夫で、少しでも老化を食い止められることができるかも!?



疲れが溜まりやすいのが腎タイプ
肉体的疲れでも、精神的な疲れでも、結局…心も体も疲れてしまいます。


腎タイプの方は、ご自身に体力がないことを自覚されている方が多いです。
体力がないからといって、休息を重視するのではなく、
できる範囲で、今の体力を落とさないことに注目することも大切です。

登山などの、足腰をよく使う趣味は、
腎タイプには、最高です!


疲れすぎは、よくないけれど、
動かなすぎは、もっとだめ!!!



また、疲労回復には、ビタミンBやミネラルです♪

ネバネバした食べ物、
オクラや山芋、納豆なども良いですし、
ある程度の塩味も大切です。

腎は、塩味で元気も出しますが、とりすぎると弱らせてしまいます。
そのバランスが、難しいですよね〜

ご自身のむくみの状態や、夕方の疲労感などを参考に、
塩分量を決められても良いのかもしれません!


年齢を重ねると、みなさん腎タイプになって行きがち。

良いアンチエイジングとは、足腰の丈夫さと、上手な塩加減。
意外に世間で言われていることの裏付けが、全て東洋医学からきている!

東洋医学は、みなさんの身近にたくさん転がっているんですよ〜